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シリーズCラウンドにおいて総額20億円の資金調達を実施

2026.03.02

Information

半導体製造の“格子不整合”を解消するGaianixxがシリーズCで20億円を調達 ―2社とのデザインウィンや、国内外約40社との引き合いにより、次世代デバイスの量産実装フェーズへ

 「多能性®中間膜」により化合物半導体の結晶成長技術に革新を起こす、東京大学発スタートアップの株式会社Gaianixx(本社:東京都文京区、代表取締役:中尾 健人、以下「当社」)は、既存投資家および新規投資家を引受先とした第三者割当増資により、シリーズCラウンドにおいて総額20億円の資金調達を実施いたしました。これにより、当社の累計資金調達額は約38.5億円となります。

 資金調達の背景と目的: 「技術検証」から「社会実装」のステージへ

 当社は、格子不整合(※1)を緩和し、異種材料間での高品質な単結晶膜形成を可能にする独自技術「多能性®中間膜」の社会実装で、これまで当たり前とされていた「コストと性能の構造的二律背反(トレードオフ)」を解消する画期的な製品で革新を起こします。 前回のシリーズB以降、当社技術の有効性は研究開発の枠を超え、具体的な商用化フェーズへと移行しました。現在、2社において当社材料を用いたデバイス開発への移行(デザインウィン)が完了しており、製品化に向けた強固なコミットメントを得ています。
 さらに、国内外のデバイスメーカー等、約40社近い企業様より具体的な共同開発・評価の引き合いをいただいており、次世代センサー、通信デバイス、パワー半導体、など、多岐にわたる産業分野での採用検討が加速しています。
 ※1 結晶成長の分野において、基板となる結晶とその上に積み重ねる薄膜結晶の間で、原子の間隔(格子定数)が異なっている状態

◆本資金調達の使途: 量産体制の確立とグローバル展開

 今回調達した20億円は、急増する顧客ニーズに応え、デファクトスタンダードを確立するための以下の領域に重点投資いたします。

1.「山梨テクニカルセンター」の本格稼働と独自パイロットラインの運用
 開発拠点である山梨テクニカルセンターの整備が完了いたしました。これにより、ラボレベルの試作に留まらず、顧客の量産ライン導入を見据えた大規模なサンプル供給およびプロセス検証が可能となります。

2.グローバル事業開発と専門人材の採用強化
 今回新たに参画した事業会社様等との連携・ネットワークを活用し、北米・欧州・アジア圏への進出を本格化します。これに伴い、量産プロセスエンジニア、事業開発(BD)、知財戦略のプロフェッショナル採用を大幅に拡大します。

3.知財戦略のさらなる盤石化
 現在、12件の特許を権利化(うち11件は中核技術である多能性®中間膜に関する独自特許)しており、さらに国内外で87件を継続出願中です。技術的参入障壁をさらに高め、グローバル市場における競争優位性を確固たるものにします。

■本ラウンドのリード投資家からのコメント

本ラウンドにおける投資家一覧(順不同)

既存投資家
株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、JX金属株式会社、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社(JIC VGI)、アルコニックス株式会社、i-nest Capital株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社

新規投資家
三井金属CVC2号ファンド(Mitsui Kinzoku-SBI Material Innovation Fund Ⅱ)、Vertex Ventures Japan、東レインターナショナル株式会社、きらぼしキャピタル株式会社

JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式 林 隼様

 2023年に初回投資を実行し、今回はリードVCとして追加投資させていただきました初回投資時と比して、複数の半導体パイプラインが実用化に向けて進展し、且つ新たなパイプラインが生み出されていること、加えてスタートアップでは珍しい自社工場の構築しサプライチェーンを整えている点を評価しております。ご存じの通りAIの普及により半導体の高性能化が求められております。また昨今ではレアアースの確保にも一定ハードルがある状況です。当社技術を用いることで従来と比較して使用するレアアースを削減しつつ、高性能な半導体(単結晶膜)を製造することが可能となります。今後も各種パイプラインの実用化、並びに更なるパイプライン拡充を推進することでデジタル化・グリーン化を進める重要な役割を担っていただくことを期待しております。

新規投資家からのコメント

Mitsui Kinzoku-SBI Material Innovation Fund Ⅱ
三井金属株式会社 機能性液体事業化推進部 部長 蔭井 慎也様

 Gaianixx 社と当社機能性液体事業化推進部は、2025 年4 月よりiconos™を用いたスピンコート法によるニオブ酸リチウム(LN)およびタンタル酸リチウム(LT)の単結晶薄膜の事業化に向けて提携を開始しました。この度Gaianixx 社へ出資することにより、2026 年以降の実用化を目指した取り組みをさらに加速いたします。今後は機能性ウェハ市場への水平展開も視野に入れ、Gaianixx社とともに次世代通信SAW デバイス用単結晶薄膜、光通信デバイス用単結晶薄膜および半導体含むその他機能性単結晶薄膜への事業参入を目指してまいります。

Vertex Ventures Japan General Partner 黒川 尚徳様

 この度、Gaianixx社の資金調達に参画させていただきましたこと大変嬉しく思います。同社のコア技術である多能性中間膜は化合物半導体業界の悲願である単結晶化を実現し10数兆円を超える化合物半導体市場のプラットフォーム技術となる可能性を秘めており、創業期より伴走させていただく中でその実現性は日々高まっていると感じております。長年の基礎研究と量産技術開発に裏付けられた技術力と半導体事業立上げ経験豊富な人材が集結する同社の人材力に、私共Vertex Groupが有するグローバルエコシステムを融合させることでGaianixx社の事業拡大と化合物半導体市場の革新に貢献して参ります。

東レインターナショナル株式会社 BI推進室 常務理事 柳瀬 秀夫様

 革新的な素材技術による次世代半導体産業への貢献に大きく期待しております。Gaianixx社のさらなる飛躍と社会実装の加速に向け、弊社として全力で応援させていただきます。

きらぼしキャピタル株式会社 ヴァイスプレジデント 石原 祐太様

 化合物半導体は、あらゆる機能材料で用途の拡大が待たれる一方、基板技術が抱える課題の一つが、結晶欠陥の発生です。Gaianixxは、多能性®中間膜を活用した薄膜成長によりこの課題を解決し、成膜工程にブレークスルーをもたらし得るポテンシャルを有しております。今回の資金調達に伴う生産能力の増強により、多能性®中間膜の社会実装に向けた道のりは着実に前進することから、Gaianixxが半導体材料の領域を牽引する存在として羽ばたいていく未来に期待しています。

■代表取締役 中尾健人からのコメント

 「前回の調達以降、私たちは『多能性®中間膜』が単なる基礎研究の成果ではなく、次世代半導体産業のボトルネックを解消する不可欠なピースであることを証明してきました。今回のデザインウィン完了およびグローバル市場からの多数の引き合いは、これまで当たり前とされていた”Cost-Performance Trade Off “を解消しうるソリューションとして強い期待の表れであると確信しております。
 新たな株主様やパートナーを迎え、更なる連携を初め、産業に関わる企業様との「競争」ではなく「共創」を実現し、経済・産業全体の発展と革新のサポートをし、今後も成長を加速させていく半導体エコシステムへの貢献を目指し世界中のデバイスメーカーへ、革新的な製造ソリューションを提供してまいります。

(言葉の説明)

多能性®中間膜とは

 基板と半導体膜の格子不整合を駆動力として双晶型マルテンサイト変態を生じ、格子不整合を緩和し上部半導体膜を高品質結晶化させるGaianixx独自の中間膜。​

エピタキシャル成長とは

 結晶基板の上に結晶成長を行い、下地の基板の結晶面にそろえて単結晶の薄膜を配列する成長機構。

株式会社Gaianixxについて

 株式会社Gaianixxは「多能性®中間膜”で世界をリノベートする」ことをミッションとして、多能性®中間膜及びエピタキシャル研究開発・製造・販売する東京大学発テクノロジーベンチャー企業です。

 現在Gaianixxではミッション実現に向けて協働してくれる仲間を積極的に探しております。募集中のポジションはhttps://gaianixx.com/recruit/をご覧ください。募集中のポジションに当てはまるものがなくとも、Gaianixxで半導体業界にイノベーションを起こす仲間に入ることに興味がある方は https://gaianixx.com/contact/ までご連絡ください。

会社概要>

会社名:株式会社Gaianixx

本社所在地:東京都文京区本郷7-3-1東京大学 南研究棟アントレプレナーラボ

代表者:代表取締役社長CEO 中尾健人

設立日:2021年11月

事業内容:多能性®中間膜及びエピタキシャル研究開発・製造・販売

https://gaianixx.com/